Mrs. GREEN APPLEの「lulu.」は、活動の第3フェーズ幕開けを飾る楽曲であり、TVアニメ『葬送のフリーレン』第2期のオープニングテーマとしても書き下ろされました。この曲は、大切な人との別れや記憶、そして新たな旅立ちを描いた壮大な物語が描かれています。
MVでは美しい大自然の中をメンバーと不思議な人々が旅をする様子が描かれており、。過去のライブ「BABEL no TOH」やこれまでの楽曲の世界観とも深く関わりがあるようで、単なるアニメ主題歌にとどまらない、バンドとしての大きなメッセージが込められているようです。この記事ではそんな「lulu.」を歌詞やMVと共に考察していきます。
「lulu.」というタイトルとピリオドが持つ意味
タイトルの「lulu」という言葉には、いくつかの言語で異なる意味があります。例えば、スワヒリ語やアラビア語では「真珠」、ドイツ語では「大切なもの」、フランス語では「愛しい人」といった意味を持ちます。どれも輝きや温かさを感じさせる言葉であり、この楽曲が誰か大切な存在へ向けた手紙のようなものであると考えられます。
フェーズの移り変わりとしりとり
気になるのは、これまでのフェーズ開幕を告げる楽曲との関連性です。フェーズ1の始まりである「我逢人(Gahoujin)」、フェーズ2の始まりである「ニュー・マイ・ノーマル(New My Normal)」、そしてフェーズ3の「lulu.」。これらはタイトルの末尾と頭文字でしりとりが繋がっているのです。
最後に打たれたピリオドの意味
タイトルに付いている「.(ピリオド)」は、文章の終わりを意味する記号です。フェーズ3の始まりの曲でありながら、なぜ「終わり」を示す記号がついているのでしょうか?。これは、一度何かが完結し、そこからまた新しい物語が始まることを表しているのかもしれません。『葬送のフリーレン』が「冒険の終わりから始まる物語」であることとも重なります。
歌詞と『葬送のフリーレン』の物語との重なり
終わりが来たらなんて言おう
どうせなら ほら哀しくない様に
いつかのあなたの言葉が
酷く刺さってる 温かく残ってる
この曲の歌詞は、アニメ『葬送のフリーレン』の主人公フリーレンの視点と、彼女に大きな影響を与えた勇者ヒンメルへの想いと強くリンクしているように読めます。
ヒンメルが遺した言葉と温もり
冒頭の歌詞は、かつてヒンメルがフリーレンにかけた言葉や、彼との別れを連想させます。ヒンメルは「涙の別れなんて僕たちには似合わない。」と言っていましたが、その言葉がフリーレンの心に深く残り続けている様子が表現されているようです。時間が経っても色褪せない、痛いほどに鮮やかで温かい記憶として刻まれているのでしょう。
永遠の命と薄れゆく時間
忘れないのに 何故か遠くなる
瞳の裏にいつも君は居る
今も ずっとそう
長寿のエルフであるフリーレンにとって、人間であるヒンメルたちと過ごした時間はほんの一瞬です。しかし、その記憶は彼女の中で生き続けています。「忘れないのに 何故か遠くなる」というフレーズは、大切な記憶を抱えながらも、物理的な時間は残酷に過ぎ去ってしまい、二度と戻らない寂しさを感じさせます。それでも「瞳の裏」に君がいることで、旅を続けていけるのです。
ミュージックビデオの世界と「BABEL no TOH」の繋がり
ミュージックビデオには、メンバー3人の他にも様々な服装をした人々が登場します。彼らの服装は、過去に開催されたライブ「BABEL no TOH」で設定されていた「役職」と一致しているようです。
旅をするバビロンの民たち
映像の中には、占い師のような装飾を身につけた大森元貴、狩人のような若井滉斗、調香師のような藤澤涼架の姿があります。さらに、周囲には踊り子や天文学者、商人と思われる人々も確認できます。これは、「BABEL no TOH」の世界から続き、次の場所へと向かう旅の途中を描いていると考えられます。
天国からエリュシオンへの道のり
「BABEL no TOH」のライブは「天国」という曲で幕を閉じました。そして今回の楽曲は、その天国から、次の目的地である「エリュシオン(楽園)」へと魂が向かう、輪廻転生のような旅路を表しているのではないでしょうか。過去の記憶や役割を抱えたまま、新しい世界へと歩みを進めているのです。
登場する少年少女と青く光る瞳
「帰りたい場所がある」
誰もがこの星の子孫
約束はね 大事にね 温かく残ってる
ミュージックビデオには、現代的な服を着た少年と少女が登場し、メンバーと共に旅をします。彼らは物語の重要な鍵を握っているようです。
魂の輝きと転生の瞬間
映像の終盤、登場人物たちの瞳が一瞬青く輝き、その後、画面から姿を消す演出があります。これは、彼らがそれぞれの「帰りたい場所」を見つけ、次の世界へと転生していった瞬間なのかもしれません。青い輝きは、魂が浄化され、本来あるべき場所へ還っていく合図のようにも見えます。
少年少女の正体
この少年少女は、まだ何者でもない純粋な魂の存在、あるいは「アダムとイブ」のような人類の始まりを表している可能性があります。「誰もがこの星の子孫」という歌詞が示す通り、すべての命は繋がり、繰り返していくという壮大なテーマが感じられます。彼らもまた、長い旅の果てに自分の居場所を見つけたのでしょう。
「どこにも行かないよ」に込められたメッセージ
大丈夫 どこにも行かないよ
どこにも行けないよ。ね。
この印象的なフレーズは、物語の登場人物同士の会話であると同時に、Mrs. GREEN APPLEからファンへ向けたメッセージとも受け取れます。
変わらない居場所としての音楽
フェーズが変わっても、形が変わっても、彼らの音楽の根底にある想いや、ファンと共に歩んでいく姿勢は変わらないという約束のように聞こえます。「どこにも行けない」という言葉は、少し寂しげにも聞こえますが、それほどまでに音楽という場所、そしてファンとの絆という場所に深く根を下ろしているという、強い覚悟と愛の表れなのかもしれません。これからも、私たちのそばで音楽を鳴らし続けてくれるでしょう。

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